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あけましておめでとうございます

今年も皆様にとって健康で幸せな一年でありますように。

クリスマスが終わり、またしてもボウエン・テクニックの歴史と考察に関する話し合いが活発になってきました。時にはメンバー間で意見が対立することもありますが、相変わらず最後には友達でいられるグループ。メンバーが17人になりました。

1991年のオジーのインタビューにすでに「真実でないコメント」がいくつも含まれています。なぜ、作り話を入れてしまうのだろう??いわく、トム・ボウエンは工業用の化学者だった、解剖学と生理学の知識はあったものの、誰からも徒手療法のトレーニングを受けたことはなかった、など。
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そんな神話化をしなくても、本来のボウエン・テクニックは効果があって、すばらしいのに残念です。
先日、「Lost in translation」という記事の中で、ボウエン・テクニックのムーブが本来の「意味」を失ってしまい上っ面だけの「レシピスタイル」になってしまっていると書きましたが、それと同時に数々の「神話」がさらに輪をかけてムーブの意味の明晰さを失わせてしまっているのです。

神話化されることによって、真実から遠のき、なにやら得体のしれないボウエン・テクニックは「エネルギーワーク」と言うことで「不思議な効果があるかもしれない」などと期待させてしまうようです。
先日、ボウエン・ワールドのフォーラムで「ボウエンはガンに効果があるか?」という質問もされていました。(あまりまともな答えを見なかった気がします。)

よくわからないけれど、神から授かった不思議なセラピーなので、思いがけない効果があるかも、などと逃げず、その場で成果をあげていけばいいのです。
また「ボウエンは優しい」「優しすぎて、効果があるのか実感がない」などというコメントを見ることがありますが、不必要な力で押すことはありませんし、赤ちゃんやお年寄りや、体じゅうが痛い人には優しく施術しますが、ただ優しいだけではありません。
おそらく、優しく(まるで撫でるように)施術するセラピストも多いのだと思いますが、その効果はいかに?

今日は馬を数頭、人を数人施術しました。馬はオーナーが歩かせて、15分で歩き方が変わっているのがすぐにわかりました。痛がるところを痛いくらい刺激したら馬は暴れることもあるので、そういう意味では優しくですが、施術の終わりには、最初にやったら痛いであったであろうレベルの刺激を与えて、筋肉の動かし方、緊張度のパターンを変えることができました。「優しく」にも理由と加減があります。

言語学的に、NLPや記号論から「ボウエン・テクニック」を読み解くというのはおもしろいかもしれないな、などと考えていましたが、より複雑にすることもないので、テクニックについてはクラスにて、その理由づけ、測定、確認、効果測定など実際に体験してもらいながら説明します。「オッカムの剃刀」です。

やや一人歩きしてきてしまっているボウエン・テクニックの神話化について言うと、ロラン・バルトというフランスの哲学者の「物語の構造分析」で語られる、作者(トム・ボウエン)=(ボウエン・テクニックを神から授かった特殊な能力を持つ)神、としてではなく、ボウエン・テクニックは様々なものが引用された織物で、それを解くのは読者、セラピストであるというスタンスの方が真実に近いと思います。

またバルトは「神話はものごとに説明の明晰さではなく、確認の明晰さを与えるのだ」ということを言っています。ボウエン・テクニックでいうと、なぜこのムーブを施すのか、その結果どうなるのか、という根拠の明確さではなくて、「ボウエンを信じれば救われる、ね?そうだよね」ということへの重点の移動。
信号機の例えを使うならば、なぜここに信号機が立っているのか?
1)ここは交通量が多く、事故も頻繁になってきたので、2010年に事故防止のために信号機が設置された(事実)
2)いつも見るこの信号機、今日もまたここに立っている。はるか昔、信号機の神様がつくったのだろう(神話)

私も含め1990年以降にボウエン・テクニックを学んだ人は、クラスやテキストの中に、かなり「神話成分」が織り混ぜられて教わってきたのではないでしょうか。

今年も、ボウエン・テクニックを神話化させることなく、なぜ、どのようにしてボウエン・テクニックが生み出され発展してきたのか。どのように解釈され使われているのか、をシンプルに探っていきたいと思います。

*ブログではいろいろと理屈をこねていますが、クラスでは実践重視、あまりぐだぐだ語らずやっていきます。

*私の名前「ミト」ってスペイン語で「神話」という意味なのですが、神話化しない実践ボウエンを心がけてやっていきます。













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Profile

Bowen Japan

Author:Bowen Japan
日本人初のボウエン・テクニックのインストラクター。American Bowen Academyにて、マスタークラス修了後、ABAのアソシエイト・インストラクターとしてカリフォルニア州と東京、千葉でクラスを指導のち、Romney Smeeton氏に師事する。現在は、カリフォルニアと日本で施術しつつ、日本でのセラピスト育成のためにBowen School Japan®にてクラスを開催している。

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